『ピガール狂騒曲』のこと・前編
ご無沙汰しております。
大好きなピガールについて書き綴っていたのですが、どうにも気持ちが溢れすぎて何度書いても支離滅裂になってしまって、諦めてしばらく寝かせてました〜ははは。
珠城さんも退団後のイントロダクションから新たなスタートをされましたので、こちらも負けじと再開していこうと思います!早速いきましょー!
『ピガール狂騒曲〜シェイスクピア喜劇「十二夜」より〜』
【20世紀初頭、花の都パリ。新時代の到来に人々は胸を躍らせていた。
赤い風車が目印のレビュー小屋ムーラン・ルージュの門を叩いた青年ジャック・ヴァレット(珠城りょう)もその一人である。
訳あって糊口を探していた彼は支配人シャルル・ジドレール(月城かなと)に裏方仕事は無いかと直談判をするが、採用を賭けてある難題を持ちかけられてしまう。
「話題の作家ウィリーの美人妻ガブリエル・コレット(美園さくら)を新作レビューの主役として迎え入れるため、出演の承諾を取り付ける事」
シャルルに命じられ渋々ガブリエルの元へ赴くジャックであったが、実は彼には誰にも言えない秘密があって…。
シェイクスピア喜劇『十二夜』の世界をベルエポック時代のパリに置き換え、レビューを巡る人々の奮闘と恋を描いた祝祭劇。】
秘密。
なんという魅力的な響きでしょうか。
『十二夜』で主人公が抱えている秘密と言えばただひとつ。即ち「実は女である」。
クルンテープの回でも少し触れましたが、舞台を成立させるためには『嘘』の共有が不可欠です。観客(騙される側)は嘘と知りつつ演じ手(騙す側)の策に乗っかって、まずは気分よく騙してもらう為に「共犯関係」になる必要がある。そして演じ手(騙す側)はあらゆる手を使って観客の見ている「嘘」の世界をいつの間にか「真実」にすり替えてゆく。舞台演劇の醍醐味ですよね。
宝塚はその最たるもので、まずは男性の出で立ちをした女優さんを「男役」と見なして初めて世界が成立します。
ところが今回はそこに「真ん中の人は男の子の姿をしてるけど実は女ですよ」という密約が加わります。しかもどうやら秘密を知っているのは本人と観客だけ…という最大の共犯関係。
そもそもこの「実は女である」という『十二夜』最大の秘密。
あのね、こっちは宝塚の舞台を「実は女である」なんて百も承知で気分よく騙されてる訳ですよ(笑)
それなのに?急に?しかもトップスターの珠城りょうさんを??女の子だと思って見てくださいとな???!!!
いやでもね、考えてみればとてもハードな難題です。
男役って鎧みたいなもんじゃないですか。いつもはその鎧姿を惚れ惚れと見ていたはずなのに、珠城さんのジャンヌが可愛いければ可愛いほど、なんだか鎧を剥ぎ取って素肌を見てしまっているような禁忌があって、いやこれいいんですか!?
だってね、剥き身の珠城さん(言い方)ハチャメチャに可愛いんですよ…もう存在が正解としか言いようがない………
ご卒業してしばらく経ち最近メディアなどに多くご登場されてますが、つくづくこの方は素材がいいですよね。今思えばジャンヌたんの可愛いところは全部珠城さんの中の人の可愛さがソースだったんですね。沼るはずだわ(笑)
しかしそんな珠城さんでもさすがにまさか男役真っ盛りのタイミングでピュアな女の子役が回ってくるとは思ってもみなかったようで(笑)
私も初めははこういうのはもっとフェアリータイプの男役がやるもんだと思ってました。
フェアリータイプの方が男役に女の子の影を見ても許される気がして。
例えばテレビドラマなんかだと、堀北真希さん、前田敦子さん、瀧本美織さん、等など「男の子のフリをした女の子」はやっぱり可愛い女の子なんですよ。
あれは見た目に違和感があって初めて楽しめるものなので、例えば男社会に紛れ込むからと言って本当に男にしか見えない人が入っていっても多分盛り上がりに欠けます。私はそれも見たいですけどね。
しかし宝塚で「とりかえばや」をやるとしたら、テレビドラマとは逆に珠城さんのようなパッと見で男らしいタイプの人の方がハマる。これは新発見でした。原田くんすごいね?!←何目線や
板の上の世界では違和感なく男に見えて、客席からは確かに女の子に見える。そんなの宝塚の男役として確立された人じゃなきゃ成立させられませんよ。
とはいえ益荒男ぶりが魅力の男役にやらせちゃそれこそ興醒めでしょうし、難しい匙加減です。
若きトップスターが円熟期を迎えた時に生み出される輝き。ジャック・ヴァレットはそんな珠城さんの魅力を存分に活かしたお役でしたね。皆が好きになるのも納得です。
余談ですがピガールはジャック(ジャンヌ)のファンアートがたくさんあってそれも嬉しかったです(笑)意外と珠城さんメインのファンアートって少ないんですよね…文章は多いけdゲフンゲフン ファンの特質ゲフンゲフン
ちょっと頭がパンパンになってきたので前編はこの辺りで。
後編はさらにディープにジャンヌたんの可愛いポイントを語っていきましょう!
《つづく》